安南のへそ

発展著しいベトナム中部の町、ダナン暮らしを経てすっかりベトナムマニアになってしまいました。ディープに書き綴ってまいります。

寿司パーティー

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思えば今の教え子たちには9月の開講式以来、多くの試練を課してきた。

ひらがなとカタカナが自習課題で、しかも数週間で覚えて来いというやや無理難題にも拘わらずテストではほぼ全員が高得点を取り、気づけばみんなひらがなとカタカナはすらすら書けるようになっていた。私が働いているプロジェクトにおいて日本語を集中的に学べる期間は3か月ほどで少ない。そのあとも少しは時間をいただけるけれど、やはり時間を有効に使わなければならないから、どうしても彼らにはちょっとした無理を強いることになる。

 

それでも彼らは頑張ってきた。最初は発音すらままならず、異質な言語に戸惑いを隠せなかった様子の教え子たちも今では流ちょうに自己紹介をするのだから、思わず涙腺が緩んでしまう。

 

ひらがなのテストを行う前に私は学生とある約束をした。

 

「ひらがなとカタカナのテストでそれぞれ是認が80点以上であれば寿司ぱーていーをします。」

どこかに日本食を食べてもらう時間を持ちたいとも思っていたから、我ながらいい企画ではないかと。しかし、残念ながら両方とも全員合格点に達したわけではなく、迷ったけれどそれで「今回はおまけとしてパーティーしましょうね」とは言わなかった。折れてしまったらこの先のコントロールが効かなくなるからだ。締めるところは占めるのが教師には必要なことだと思う。ただ頑張る彼らへのご褒美としてお寿司をふるまいたい気持ちには変わらず、もう一つの約束をすることにした。

「次の週に行う自己紹介の口頭試験で全員80点以上だったら今度こそ寿司パーティーをしましょう。」

 

口頭試験であれば筆記が苦手な教え子にとってもハードルが低い。読みは当たって全員何とか合格。晴れて今日寿司パーティーの実施と相成ったわけである。

 

ダナンっ子にとって日本食といえばスシ。つまり握り寿司である。今回は日本のいろいろな種類のお寿司を知ってもらうべく、プレゼン資料も用意した。

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今回ふるまったのは、いなりずしとばらずし。バラずしのビジュアルと稲荷ずしの甘さで喜んでもらおうと、来越する日本側のメンバーにあらかじめすしタローと寿司のこと稲荷ずし用の油揚げを持参してもらい、同僚3名と役割分担をして今日の午前中は各自自宅で仕込み作業。午後に出勤して授業でプレゼンするメンバーと事務所待機メンバー(つまり仕上げ担当)とに分かれた。私は今回は待機メンバーとして、もう一人の同僚とひたすらいなりにすし飯を詰め、ばらずしの盛り付けを進めた。

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喜んでくれるといいな、という願いを込めて盛り付けた。

 

そして寿司とともに講師一同教室入場。心待ちにしていた教え子たちは授業中も気もそぞろだったとか。そうだよね、これをニンジンにしてひたすら走り続けてきたんだもんね。

 

心からうれしそうな彼らの表情、おいしいです!と喜んでくれた彼らの言葉に私たちはもう感無量。やってよかったこの企画。こういうフード系のイベントはなかなかの仕事量なので終わった後は脱力なのだけど、彼らの喜びに元気をもらったのか今も比較的元気で、夜は近所のカフェへベトナム語の勉強をしに行ったほど。

 

いい気分で一週間を終えることができた。

 

またいつか何かやりたいなと性懲りもせず思ってしまう私なのだった。