安南のへそ

発展著しいベトナム中部の町、ダナン暮らしを経てすっかりベトナムマニアになってしまいました。ディープに書き綴ってまいります。

ベトナム人による発音指導

f:id:soyliliani:20151115204253j:plain

 

藪から棒に言わせてもらうと、ベトナムの方々は外国人にとってベトナム語の発音をうまく教えてくれる先生にはならない。というかそういう人の方が多い。

 

って別に才能とか能力の話をしているのではなく、それはまだベトナム語を話す外国人が珍しいがゆえに、「外国人だからまあいいか」という諦念を抱いてくれるに至っていないという事と、もう一つこの土地の多様性に原因がある、という話なのである。

 

当然ベトナム語学習者である私は口を開いてベトナム語を発話すれば笑われる。じゃあ、実際の発音はどうなんだと色々な人に「ネイティブな発音を」尋ねる。するとそれぞれがバラバラなのだ。しかも下手すると同じ人が行ってるのに1回目と2回目で声調が変わる。

 

おいおいおいおいおいおいおいおいおいおい、

 

おいっ!

 

とさすがにこちらも腹が立ちかけることもある。それで至った結論が冒頭の話。

 

しかも私がいる地域は中部で、周辺地域から人が集まっているダナンという町。ダナン弁、フエ弁、クワンナム弁にとどまらず、中北部、西部高原地域などそれぞれ言葉が違う地方出身者が多いのだから、それも頷ける。

 

そんな思いを先週のベトナム語の授業で先生に伝えたところ、ハノイ出身者の彼女曰く

「わたしもそのあたりの人が何言ってるかは、全然わからないよ」。

 

発音が変わるというので有名なのは

フエから北:や行がざ行になる(アオザイ

ダナンから南:ザ行がや行になる(アオヤイ)

だけれど、そのレベルでとどまらない差異があるのである。

 

もちろん日本にも方言が多くあるから、わかると言えばわかるけれどテレビが普及してひさしいので、標準語がかなり定着しているし、方言であっても何となくわかる、知ってる表現がある、というところまで認知されている。

 

ベトナムももちろんハノイ表現が標準語としてテレビのアナウンサーはハノイを中心とした北部出身者が多いし、学校教育での国語の授業はハノイの言葉だという(担当教師がハノイ出身者でなければその発音が正しいかどうかは不明だが)。

つい最近テレビ局が中部出身者をアナウンサーとして登用したなんていうニュースがあったくらいだ。

 

そういうわけで、私はもう下手に教え子たちに発音を聞かないことにした。ベトナム語の先生とハノイ発音に精通しているうちの現地スタッフだけを信用できる情報元にすることにしたのである。

 

ただ、予想するにこれからベトナムは発展が進んでいくから外国人の数も増加していくと思う。つまりベトナム語を勉強する外国人の数も増えるということ。それに対応してベトナム語教師の育成もこの国は必要になってくるんだろう。ハノイホーチミンは別としてダナンにはちゃんとしたベトナム語の学校がないので(第3の都市で外国人も多いのに…)、英語または日本語がわかるベトナム人を人づてに探して先生になってもらうのが多い。

 

そういう先生たちはその外国語を教わった時の先生のやり方をまねて教えているようだけど、ベトナム語の場合多少変わってくる(発音をどう指導するかなど)から、彼らは彼らで難しさを抱えているようだ。実際発音うまく教えられる人はそこまで見かけない。私の嫌いなやたら何度も繰り返すだけでダメ出しを出すパターン。

 

幸い先週教えていただいた先生は

「口を大きく開けるの」とか「(声調が)上がってるから、重たく下に下げて」と、自分の何が間違っているのかを指摘してくれるので非常にわかりやすい。毎回発見があり、感謝している。

 

以前も書いたけれどプロフェッショナルとして語学を教えるならば、音声学は押さえておいてほしいところ。発音面で非常にハードルの高いベトナム語だから、これからベトナム語教師になる人には必須項目だと思う。

 

なんて偉そうに書いたけれど、まずは自分の勉強から。