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安南のへそ

発展著しいベトナム中部の町、ダナン暮らしを経てすっかりベトナムマニアになってしまいました。ディープに書き綴ってまいります。

風邪の時に読んだ本②

読書

寝込んでいる間に読んだ本Part2

 

ベトナムのお隣さんのカンボジアについて。

 

地雷処理という仕事 カンボジアの村の復興記 (ちくまプリマー新書)

地雷処理という仕事 カンボジアの村の復興記 (ちくまプリマー新書)

 

 カンボジアに現在でも地雷がたくさん埋まったままになっていることは常識的に知られていることだと思う。

最近はアンコールワットをターゲットにした観光から、支援やスタツアの半ばメッカ的な存在になっていて、日本人も多く訪れる場所となっている。

だが、道なき道を歩いてはいけない、これは現在でも鉄則である。

 

それはつまりカンボジアが貧困にあえいでいるということなのだ。クメールルージュによる虐殺で国民の多くが殺され、特に知識層や医師といった有力な人材の多くが命を奪われた。だから国の再建をするにも人材不足が大きな問題になっているし、地雷が埋まっているということは、その土地を有効利用できないということになる。畑にすることも、病院や学校を作ることもできないのだ。

 

カンボジアを支援するNGOは数多い。かなり前にアップしたかものはしもカンボジアの人身売買解決のために活動していて、アンコールワットのあるシェムリアップにも現地の女性が作るイグサ製品を販売している。これは女性たちの経済的自立とコミュニティーの貧困打破という目的がある。なぜなら人身売買は貧困が引き金となって生じるからだ。

 

そんなカンボジアで地雷撤去にとどまらず、地域の活性化のために活躍されている方が書いたのがこの本。

もとは自衛隊PKO隊員としてカンボジアに派遣されていた著者が、去る時に「まだやり残したことがある」という思いを胸にして、定年退官後カンボジアで地雷撤去に従事することとなったそうだ。当然だけど地雷撤去には専門的な知識と技術が欠かせない。そう考えると筆者は適任中の適任者。

 

だが、彼らの活動は外部から専門家を呼んでサクサク進める形をとることはなかった。予算的な理由が大きいけれど、彼らはある村を拠点にして村の内外から地雷撤去の作業員を募集して育成(ほとんどが女性)。活動する中で村の問題点を解決するべく道路整備なども行っていく。

 

「ハードの部分を与えるだけの支援は、依存心を助長するだけの支援にしかならないと思います。彼らがどうしてもできない部分を手伝えばいいし、一番重要なのはハードとソフトの部分のバランスをよく考えて自立につながる支援かどうかを見極めることだと思います。」

「支援には支援する側の責任があり、また支援を受ける側の責任があると思います」

 

私自身が経験したことなんて本当にちっちゃなことだけど、上に引用したところにはものすごく共感した。

支援する側は単に相手のためとモノやお金を与えるのではなく、それが本当に必要なのか、どういう目的でどういう方法で現地にわたっていくのかを知ったうえで行うべきだし、

支援される側もただもらうだけではなく、自分たちからできることを知恵を絞って実践してほしい。

 

そうでない支援は結局うまくいかない。

 

私自身があまり明るくなかったことについて学ぶことができた。

 

 

おまけ:カンボジアがらみのドキュメンタリー映画。

    カンボジアのクメールルージュのころを村人自ら再現して映画を作った。

    そのことが一種のセラピーとなったようで、彼らの深いトラウマが少し和らいでいく様子が描かれている。

おばあちゃんが伝えたかったこと | カンボジア・トゥノル・ロ村の物語