安南のへそ

発展著しいベトナム中部の町、ダナン暮らしを経てすっかりベトナムマニアになってしまいました。ディープに書き綴ってまいります。

絵本のような世界の中に毒がある

ここのところ映画づいてきました。

というのも先週体調を崩して、何とか治したものの薬疹に悩まされつつ多忙な1週間を過ごし、余暇はどこかへ出かけるというよりかは自宅でのんびりしたい気分なので、おのずと引きこもり形レジャー(読書、映画、手作り)を愉しむことになるからです。

 

前回の“小野寺の弟 小野寺の姉”に引き続き、今回セレクトしたのはW・アンダーソン監督のこちらの作品。

 

ムーンライズ・キングダム スペシャル・プライス [DVD]

ムーンライズ・キングダム スペシャル・プライス [DVD]

 

 1965年のニューイングランドにある離島が舞台の、どこか絵本のような世界の中に、毒のあるW・アンダーソンらしい映画でした。内容はネタバレ防止のため書きませんが、日本でもヒットしたこちらの作品と同様追う追われるの逃避行劇で、なかなかハラハラさせてくれる展開でした。

 

 私は彼の映画が結構好きでいろいろ見ているのですが、おハイソな小道具とちょっと下品な要素が必ず混在しているところが面白い。

例えば高級ホテルと一流コンシエルジュと常連マダムとの不倫だとか、

ボーイスカウトと暴力だとか

テイラー仕立ての高級スーツに身を包んだ紳士が薬中だったり。

きれいごとでは片付かない人間臭さを彼なりに表現しているのかな、なんて思ったりします。

私が一番好きなのは、お坊ちゃん兄弟たちのとってつけたようなスピリチュアルジャーニー@インドのこちら。

 

 何年か前に劇場で見て以来、妙にはまった。

 

ただ最近気になるのは、逃避行劇の形にこだわりすぎているところ。

かなり前の”ライフ・アクアティック”もそうでしたが、今回ご紹介した“ムーンライズ・キングダム”しかり、"グランドブダペストホテル”しかりでランナウェイアクションが多い。今後もW・アンダーソン氏が同じようなストーリー展開にすると、どこかでこけるぞ~、と思うのは私だけでしょうか。過去の成功例を模倣し続けるとろくなことにならないので、是非とも才能あふれる監督なのだから新しい路線を開拓してもらいたいものです。個人的には“ダージリン急行”系のでお願いしたいところです。