安南のへそ

発展著しいベトナム中部の町、ダナン暮らしを経てすっかりベトナムマニアになってしまいました。ディープに書き綴ってまいります。

地図を片手に読む一冊

くだんの熱騒ぎの最中に読了した一冊。

実を言えば体中がいたくて横になっていることだって苦痛だったのだけど、その苦痛を紛らわすべく、かじりつくように読んだ。

ちょっと古い本だけど、さくらフレンズカフェのライブラリーで見つけた。

 

 

バイクで駆けたヴェトナム―ホーチミン・ルート踏破の夢

バイクで駆けたヴェトナム―ホーチミン・ルート踏破の夢

 

 ドイモイ直後のベトナムをロシア製バイクにまたがって一人横断したアメリカ人ジャーナリストの珍道中が描かれている。著者のお父さんがベトナム戦争時の記者だったらしく、そこからベトナムにインスピレーションを得たのか、ある時著者はベトナム戦争の前後から生まれたハノイラオス経由)ホーチミンをつなぐホーチミンルートを舞台にした小説を書こうという目論見を持つに至ったという。そうならば自分の足で確かめるしかない、と身一つでベトナムハノイへ乗り込む。今では少なくなってしまったフランス語を話す上流層のベトナム人に話しても無謀だと一種されたが、何とか手がかりを寄せ集め、バイク一人旅を決行する。

 

このころと今とでは隔世の感があるのを感じつつも、ベトナムに住んでいれば思い切り頷いてしまうような何気ない一行がたくさんあったり。そして何よりも、ベトナム地図を片手に読むと、面白さも倍増するのである。カタカナ翻訳がベトナム語の発音通りではないところもあるのはご愛嬌として、これまで何の意味合いも持たなかった地図上の地名が、旅行記を読み進めるとともに生き生きとした人間の地となって脳裏に情景が浮かんでくる。

 

もちろん我らがダナンも中盤登場する。ただ残念ながら麗しい印象を著者には与えなかったようだけど。

 

最後がベトナムらしくて笑えてしまう。

 

是非とも地図を脇に置いて、読まれたし。