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安南のへそ

発展著しいベトナム中部の町、ダナン暮らしを経てすっかりベトナムマニアになってしまいました。ディープに書き綴ってまいります。

読書録 『コミュニティデザイン』

読書

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ダナン在住日本人の知り合いに借りて読んだ本。

 

コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる

コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる

 

 著者の山崎亮さんはテレビ情熱大陸にも出演された方なので、その筋の人たちにはかなり有名な方のようだ。コミュニティデザイン、ソーシャルデザイン、コミュニティベースドで町おこし、観光から都市のランドスケープデザイン(多田のみてくれということではなく、住む人の目線に立った暮らしやすいまちづくりということ)を行うのだけど、これらのキーとなるのはデザイナーが一人でリサーチして、立案して着工していくのではなく、地域住民の参加と実践を軸に進行していくという事だろう。

 

誰かにやってもらうのではなく、自分たちでやりながら、弱いところをプロの力を借りていく、というプロセスは何もコミュニティデザインに限らず、国際協力の場面でも大いに応用できることだと思う。自分がいま携わっているのはダナン及びクワンナム省の看護師と看護講師へのエンパワメントなので、今後どう発展させていくかを考えるうえでヒントになることがたくさんあった。

 

一番印象的だったのは、プロジェクト信仰の冊子に人数ごとに分類したものを織り込んだ点だ。それはどういうことかというと、参加者が提案した「することリスト」を「一人でできること」、「二人でできること」、「十人でできること」、「100にんでできること」といった形にまとめることで、1人でできることは今すぐ自分ではじめ、10人でできることはチームで初めて行けば必ず組織単位の100人、1000人単位のことに繋がっていくという方法論。アイディアとしてはささやかなのかもしれないけれど、これも巷でいう一種のビジネスの「仕組み論」なのかもしれない。リストに落とし込めば自分が何をすればわかるし、その項目が細かければ細かいほど考え込むことなく作業に移れる。

 

それからもうひとつ面白い事例が、とある地域の町おこしをするのに、歴史的に対立しあっていた背景から大人たちがなかなかうまくまとまらない。そこで山崎氏が目をつけたのが子供たち。そこの子供たちは大きくなると地域外の学校へ通うべく、その地域を出る。そのまま進学、就職するのだけど、「大人たちが今自分たちの地域を何とかしてくれないなら、自分たちは大人になってもその地域には帰らないからね!」という形で、リサーチとプレゼンを進めたのだそうだ。地域の宝子供たちからの「警告」を受けた大人たちが一致団結してプロジェクトを進めて行ったのは言うまでもない。

 

こういう事例を読んでいると、ファシリテーター的な立場にいる人間がいかに冷静さを保って、視点を変えて解決策を見出すことが重要なんだと知る。自分が携わるプロジェクト然り、新しい仕事然り、自分の働き方のヒントをもらった。