安南のへそ

発展著しいベトナム中部の町、ダナン暮らしを経てすっかりベトナムマニアになってしまいました。ディープに書き綴ってまいります。

ダナンの再開発

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ダナン随一の高級ショッピングモール、VINCOMのフードコートから見える景色が面白い。VINCOMは中心部からハン橋を渡ったところにあるのだけど、こちら側はVINCOMから歩いて20分くらいで海辺へ着く。だから一応海側、ということになる。

 

現在急ピッチで進められているホテル建設ラッシュに乗じて、この辺りも古い建物を壊して、再開発を進めているようだ。窓から見える景色に古い伝統的な三角屋根の家がある一角がある。そのあたりを隠すように小さな飲食店が軒を連ねていた。しかし、そこも含めてあらたなものを作ろうとしているのだ。

 

ダナンの海側は比較的新しく建てられた建物が多い。ホテルにせよ、店にせよ、家にせよ。ハン橋を渡った先には犬肉を食べさせる食堂が何だか怪しげなオーラ満載で並んでいたりする。それからハン橋とドラゴン橋の間の川沿いにはちょっと前まで水上生活者のコミュニティがあったという。確かにウォーキングであのあたりを歩いていると、どこか暗さがついて回る。今では観光客用にきれいな街灯が並んでいたり、大きな客船の中にしつらえたフードコートがあるDHCマリーナがあるのだけど、そこを抜けるとブラックホールのように暗くさびれたオーラがみえる場所がある。不思議なことに朝ウォーキングをする現地人も、そのDHCマリーナあたりでUターンをして、ブラックホールへは近づかない。

 

平板で真新しい建物で覆われつつあるダナンの町に残る、過去のベトナム臭いダナンの昔に思いをはせてみる。橋ができる前は川のこちらとあちらでは話す言葉が違っていて、なかなか通じなかったという話も聞く。それでも人は小さな手漕ぎボートに乗って行き来をし、モノとカネをやり取りしていた。私が感じるのはフランス植民地主義が植え付けたエキゾチックアジアみたいな貧弱なイメージではない。もっと汗にまみれて、怒号にも負けない、人間臭くもたくましいベトナムだ。食後にかんだミントの匂いではなく、近づいたら思わず顔を背けたくなるような口臭が漂うような、圧倒的な存在感を持った力。それがダナンに10か月暮らして感じたベトナムだった。

 

ハノイホーチミンに比べたら格段に物価が安く、治安も良いダナンだが観光業を推し進めると同時に、あらゆる開発の波に揺られおそらく5年、10年後にはすっかり様変わりしているかもしれない。いい変化もあれば残念な変化もあるだろうが、確実に言えるのはベトナムはそう簡単に存在感を薄めることはないということだ。またいつか、この地に足を踏み入れたいと思う。