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安南のへそ

発展著しいベトナム中部の町、ダナン暮らしを経てすっかりベトナムマニアになってしまいました。ディープに書き綴ってまいります。

【メコンデルタの少数?民族】クメール・クロムを知っていますか?

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関東地方も桜が満開なのに、週末は雨模様・・・ああ、冬から目星をつけていた桜のトンネルの下をサイクリングしたかったのに泣

今週から私は新しい仕事が始まって、最初の週末は家籠りを余儀なくされそうです。

新しい職場では私が少数民族マニアであることが、はやくも露見してしまったので、今回はベトナムのマイノリティーのお話をば。

 

 

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「クメール・クロム」とはベトナム南部メコンデルタ地域に暮らすクメール(カンボジア)系ベトナム人のことである。タイトルでは「少数民族」と書いたけれど、この表現が性格なのかは疑わしいところだ。何せ、もともとこの地域はカンボジア領だったのだから。さらにベトナム内でもクメール族の人口比はキン族(主要民族)から数えて5番目と少数民族の中でも多数派に位置している。

 

soyliliani.hatenablog.com

 実は昨年ダナン生活を終える直前に、クメール・クロムが多く暮らすソクチャン省へ足を運んだことがある。カントーから乗り込んだバスを降りて、町への足にとお願いしたバイタクのおっちゃんもクメール人だった。ソクチャン省は下手するとキン族よりもクメール族(クメール・クロム)の方が力を持っていたりするらしい。実際町の中心部にはかなり立派なクメール寺院が建てられている。

 

そんなクメール・クロムについて、今回は少し勉強してみました。

 

ヴェトナムの中のカンボジア民族―メコンデルタに生きるクメール・クロム

ヴェトナムの中のカンボジア民族―メコンデルタに生きるクメール・クロム

 

 

本書は日本人の研究者とクメールクロム出身で、在日カンボジア大使を務めていたトロン・メアリーさんとの対話形式で進んでいくのだけれど、かなりのボリュームを持ちながらも夢中になって読み通せる内容でした。

 

クメール・クロムが歴史の中で味わってきた差別、弾圧、そして他のベトナム人同様戦争といった艱難辛苦を乗り越え、現在ではカンボジア内の有力者層に食い込んでいる人も多いとか。ただ、そのこともあってかクメール・クロムとカンボジアクメール人との間には壁もあるようで微妙な関係性があるのだとか。

 

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ちなみに現在のホーチミンの名前が昔はサイゴンと呼ばれていたことは有名だけど、それ以前クメール人の街だったころには「プレイノコール」という名前だった。何度も名前を変えてきた数奇な運命を持つ街なんだなと思った。ホーチミンはわからないが、確かにカントーあたりのメコンデルタの街には、特有の黄色い黄金のようなお寺が散財している。

 

少数民族について学ぶことで、更にベトナムという国が見えてくる。いや、それ以上にあの周辺地帯について知ることになる。キン族だけの歴史を追っていても、ベトナムは見えてこないんだな、と改めて思ったのだった。